日常の絵

個展のために作品を作る

という事が普通になっていた。
毎日作品を描くこともなくなり、個展の前に急いで準備するような日々が続いていた。


しかし、それはやっぱりちょっとおかしいというわけで


インドでこの間、偶然『モールシン』(口琴)という楽器を買った。
これはハーモニカのように小さくて、どこにも持っていける。
口の形や舌、息の出し入れで音が変わるので、指先を器用に使ったりしないし、弦やボタンがあるわけではないので、不器用な僕にはピッタリ。


最初は音が出なかったけれど、練習したら音が出るようになって、なんとも楽しい。
どこにでも持っていって、空いてる時間にビヨ〜ンビヨ〜ンと音を出すだけで幸せな気持ちになる。
音が出せると、次は他にもいろいろな音を出せるようになりたくなり、上手になりたくなる。
自然に、毎日触って、手放せなくなるので、今までいろんな楽器に挑戦しては諦めたぼくも、楽しく長く付き合えそうだ。




イーゼルを準備して、絵の具を用意して、キャンバスを広げると家でしか作品が作れない。
まとまった時間を取って「やるぞ!」と気合いを入れないと描けない。
しかし、描きたいときに、描けるときにスパっと描けないものかと考えると、小さく、持ち運べて、道具をシンプルにする必要がある。
パっと出せなければいけないので、ゴミが出たり、片付けに時間がかかるのも駄目だ。


そこで、毎日どこに行く時にも、スケッチブックとボールペンを持ち歩いて、ヒマがあれば、絵を描くようにした。


口琴を弾くように、これは楽しい。
ひさしぶりに、絵を描くのが心底たのしいなあ〜と思えている。


こんどの個展はそんな絵を出します。
大迫力極彩色世界の対極になるので、いつもの個展とは様子が違うと思いますが、顕微鏡で見る世界もまたドラマチックで、秘めた迫力があると思います。


ぜひ個展に見に来てください。


個展『燦然世界』
8/23〜28 11:00〜20:00
Art Complex Center 2F ACT3
*28日17:30から音画ユニット『二次元パレット』のライブやります!!
*23〜25日は17時すぎから 26〜28日は前日在廊します。